森光 敬子先生(医9期)2019年度 講演抄録

update: 2019.07.12

日本の医療を取りまく現状と今後の展望について(直近の診療報酬の動向も含めて)

森光 敬子 先生,医9期,厚生労働省保険局医療課長

 私は、平成4年に佐賀医科大学を卒業後、厚生労働省に入省して以来、厚生労働省をはじめ文部科学省、日本医療研究開発機構などの様々な部署を担当してきました。現在は、厚生労働省保険局医療課で診療報酬改定に携わっています。

 診療報酬は、保険医療機関が保険医療サービスの対価として受け取る全国統一の価格です。医療技術や環境の変化を考慮して二年ごとに、項目や価格の見直しが行われています。しかしならが、行政施策の一つという側面も持っています。法律や国が実施する事業とは違い、医療機関に支払う報酬という形で医療全般を支え、施策の円滑な運用を促すという側面です。そのため、診療報酬が二年毎に改定されるタイミングで、医療全体の課題の抽出と施策の総括をする必要があります。その上で、診療報酬によって、後押しをする必要のある課題を選定し議論をしています。令和2年4月の改定に向けて、中央社会医療協議会において、議論が始まっており、7月までに第1ラウンドが終了する予定です。

 今回の講演では、医療をとりまく現状と診療報酬における課題、またそれらにどのように取り組む方向であるのかをご説明したいと思っています。

 また、厚生労働省及び行政において、どのようなところで医師が関わっているのかについても、ご紹介をしたいと思います。