南里 美貴 先生(看4期)講演抄録(H30年度 医学部同窓会総会・講演会)
update: 2018.06.27
「いのちをつなぐ親から子へ いのちをつなぐここから地域へ ~ 大学病院の助産師活動 ~」
佐賀大学医学部附属病院 助産師 南里美貴
2001年から始まった「健やか親子21」は、我が国の母子保健に関する取り組みを推進する国民運動計画であり、21世紀の母子保健の主要な取り組みを提示するビジョンです。第1次の評価をふまえ、2015年からは「健やか親子21(第2次)」が開始されました。第2次計画では、10年後に目指す姿を「すべての子どもが健やかに育つ社会」とし、すべての国民が地域や家庭環境などの違いにかかわらず、同じ水準の母子保健サービスが受けられることを目指しています。また、課題の一つに、「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」があげられ、妊娠が成立してから子育て期まで、あらゆる関係機関が連携していく支援体制の重要性がうたわれています。
佐賀大学医学部附属病院の分娩件数は年間200件弱であり、その約8割が他施設からの紹介、また約半数が帝王切開です。当院の助産師には、ハイリスク分娩に対応できる助産ケアの提供という社会的役割があります。私たちは、タイトルにある「いのちをつなぐ親から子へ いのちをつなぐここから地域へ」を産科看護理念として掲げ、日夜、妊産婦とそのご家族に寄り添った看護に努めています。また、出産後新しい家族を迎えた後も、住み慣れた地域で安心して育児をしながら暮らしていけるように、地域も含めた切れ目のないつながりを大切にした支援を行っています。
今回は、私たち産婦人科病棟の助産師や看護師が、すべてのお母さんとそのご家族に安心して子育てをしてほしい、すべての子どもたちに健やかに育ってほしい、という思いを抱きながら活動している様子をお伝えしたいと思います。