2019年度 菱実会賞の授賞式

update: 2020.01.06

 菱実会賞は、佐賀大学理工学部の在学生(1〜4年生)で、社会活動、課外活動、学術研究活動等において成果や評価が顕著であると認められた場合に表彰する制度です。
 2019年度の菱実会賞の受賞者は1名でした。授賞式を2019年12月16日(月)に行いました。
 受賞者:山城佑太君(機械システム工学科:H28入)
 題 目:座圧軽減装具「フワット」の開発と普及活動
 受賞理由: 座りっぱなしで仕事をする人が増える中、腰に負担がかかってくると、手で肘掛けを垂直に押して腰を浮かせたくなるものである。山城君は手を使わずに、常時装着しておくだけで常に腰を浮かせる装具「座圧軽減装具:フワット」を中山功一准教授らと共同開発した。研究成果も、特許(2件)、受賞(2件)、展示(2件)、研究発表(1件)と抜群に多い。また、フワットのクラウドファンディングを実行者として主導し、300万円以上を集めた。その結果、大学の研究成果の商品化に成功した。新聞やTVなどのメディアで10件以上取り上げられている。佐賀大学発ベンチャー企業として株式会社山城機巧を起業し、代表取締役社長に就任している。活発な活動を行いながらも、学業の成績が優秀で、大学院への推薦入学が決まっている。菱実会賞にふさわしい学生である。
 

【受賞者の声】 

 この度、菱実会賞をいただき大変光栄です。
 私は2年前、腰をつらそうにしている中山功一准教授に出会いました。中山先生は自分の腰のために、後に座圧軽減装具フワットと名がつく製品の試作第1号をホームセンターの材料で試作していました。私は腰がつらくはありませんが、これはおもろい!と思いました。
 初めは先生の手伝いとして関わり始めたフワットの開発ですが、中山先生が使うための開発という明確な目的とアイデアを次々試すテンポの良さに引き込まれました。アイデアを出して、3Dで設計して、3Dプリンタなどで実物大で試作して使ってみるという手順です。途中からはパイプ椅子メーカーが試作開発に関わってくれたおかげで金属パイプでの試作も出来る様になっていました。
 2018年、フワットは一般社団法人日本リハビリテーション工学協会が開催する福祉機器コンテストで優秀賞を頂きました。その後、クラウドファンディングを経て、フワットの開発販売等をより円滑に行うために認定佐賀大学発ベンチャー第一号である、(株)山城機巧を設立しました。私はフワットの存在を知ってもらい、または装着体験をしてもらうために、イベントに出展したり、コンテストに出場したりしました。
 具体的には佐賀大学学生ベンチャービジネスプランコンテストでグランプリを頂いたり、九州全体の学生ビジネスプランコンテストの一つである九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストでは55件の応募からグランプリを頂きました。学生ビジコンだけでは無く、佐賀県全体のビジコンである、サガラボチャレンジカップでは優秀賞を頂きました。今後はフワットの普及と使用者からのフィードバック等を元にした改良、そして新製品の開発を進めていきます。
(山城裕太)
   

 フワットのチラシ です。ダウンロードしてお読みください。