農学部と農学部同窓会との意見交換会

update: 2019.12.23

 12月5日、農学部と農学部同窓会との意見交換会を菱の実会館において開催しました。農学部からは小林元太農学部長をはじめ永尾晃治副学部長、穴井豊昭副学部長、一色司郎副学部長、鈴木章弘生物科学コース長、田中宗浩食資源環境科学コース長、宗 伸明生命機能科学コース長、山﨑欽哉農学部事務長のご参加をいただき、同窓会からは小池良美会長、水田和彦副会長、石橋泰之副会長ほか佐賀県支部、佐賀県教職員支部、神埼支部、佐賀市役所支部、農業自営者の会の役員9名が出席いたしました。

 意見交換会では、小池同窓会長から「限られた時間であるがこの場を大学と同窓会の情報の共有の場にしたい」「地元の大学として母校が発展していくために同窓会のネットワークを生かして大学への協力・支援に取り組んでいきたい」と挨拶があり、小林農学部長は、学部改組後の農学部の新たな研究・教育の取り組みを紹介するとともに大学間の競争が激しくなる中で、「地域に根差した大学として持続的に前進していくために農学部の強みと特徴を徹底的に生かした研究・教育に取り組んでいく」と述べられました。
 続いて副学部長及び各コース長から学生の就職状況、改組後の学生教育の工夫、さらに研究評価や研究費確保、地域連携の強化など様々な点から貴重な意見をいただきました。学生の就職率については食品関係や製薬・化粧品関係、公務員などほぼ100%で非常に高いこと、逆に大学院進学者が少なくなっているとの悩み、

また、新たな一括選抜入試方式に伴い、1年生に学部や各コースの魅力をいかに紹介し、理解を深めてもらうかに腐心されており、研究内容のわかりやすい紹介や研究室訪問など様々な創意工夫がなされていることが紹介されました。

 研究面では、財政的な厳しさは年々増している状況にあるが、科研費及び論文数等では全学の中でも農学部が群を抜いており、2年前から動いている農水産圏プロジェクトやスマート農業、植物工場での取り組みなど地域の課題に対応した大きなプロジェクト研究が進んでいること、一方、科研費の偏在など格差もあり依然として財政面の制約も大きく、今後、地域・社会連携の強化についても協力をお願いしたいとの意見がありました。

同窓会からは、農学部の研究への関心が非常に高まっており、特に革新的な育種研究が農業のイノベーションや農業者の営農意欲の向上につながることから今後とも新品種の作出に大きな期待があること、さらにこれまで大学に蓄積されている研究成果についても研究の出口を指し示しながら広くわかりやすく紹介していただきたいとの意見もありました。また、新しい教育プログラムについても様々な分野で活躍している同窓生も多く、アグリ・キャリアデザイン等への講師派遣等について積極的に協力していきたい。また、教職員支部からは、農業高校からの進学者の入学後の成績の状況や佐賀県枠の検討などの要望が出されました。
 農協連支部からは今日、世界的に協同組合間連携が求められ中で、「協同組合論」を受講できる環境の整備を、熊本県庁支部からはスマート農業など先端的な研究内容や成果を同窓会報で情報発信

してもらい参考になった、今後ともタイムリーな情報発信をお願いしたいとの意見が寄せられ、神埼支部からは中山間地域の厳しい現状に触れ、今後の集落・地域の将来の再編方向についてアイデアはないかとの意見が出されました。

 その後、研究成果の情報発信の仕方や地域連携を実質化するための方策、農業高校からの入学者の単位取得状況、またアグリ・キャリアデザイン講義の中での協同組合のより実践的な実務家による講義など、時間を大幅に超過して熱心に意見を行うことができました。

 今後とも同窓会員自ら農学部の研究教育について日頃から注目しながら、多様な意見交換を通して母校の一層の発展につながるよう同窓会活動を充実・強化していくこととしています。

内海修一(S49院卒 農経)