永渕 美樹 先生 講演抄録(平成29年度 佐賀医科大学・佐賀大学医学部同窓会 総会・講演会)

update: 2017.07.03

「これからの看護師へ求められるものは?~自称フリーター看護師の活動から~」

佐賀大学医学部附属病院 慢性疾患看護専門看護師 永渕(荒木)美樹 先生(看3期)

 

 月日の経つのは早いもので、私たち看護学科3期生が卒業し18年が経とうとしています。私たちが入学したころは、看護大学数もまだまだ少ない状況でした。それが、現在では看護大学の数も増加し、新卒看護師の多くが大学卒業という状況へと変化しています。

 学部の頃を振り返ってみると、看護技術のみではなく、看護理論などを中心に『看護とは』を考える教育を受けてきました。また同時に看護の専門性を高める動きが出始め、日本看護協会による認定看護師や専門看護師の育成が開始された時期でした。当時はまだ看護学生でしたが、3年次の実習指導教員から「大学を卒業して看護師になるあなたたちは、今後その専門性をさらに高めていきなさい。機会があれば大学院への進学や認定看護師や専門看護師などの資格にもチャレンジしなさい」と言われたことを鮮明に記憶しています。

それから月日は流れ、臨床現場で多くの患者と接する中で自己の力不足を感じることが多々あり、当時は私には絶対に無理と思っていた大学院へ進学し、専門看護師の資格認定を受け現在に至っています。

 現在の活動内容は病棟や外来といった部署には所属せず、組織横断的に活動を行っています。専門看護師の役割には、実践、相談、教育、調整、倫理調整、研究という6つの役割があり、これらの役割を通して臨床現場の課題について、看護師や多職種と連携して日々悩みつつ対応を行っています。また、施設内のみではなく、地域の看護職種と連携しながら慢性疾患患者への支援体制の構築にも参画しています。

これらの院内外での専門看護師としての活動の中から感じたこれからの看護師へ求められるものについての私見をお伝えしたいと思います。